「預貯金」の利子を正確に算出してみよう

「預貯金」の利子を正確に算出してみよう

 「預貯金」は、様々な投資手法の内、最も馴染みの深い金融商品です。元本が確実に保証されるため、安心・安全な手法として、殆どの方が口座を開設して貯蓄を行っていることしょう。ただ、実際にどれほどの利子が得られるのかは、大まかなイメージしか持たれていない方も多いのではないでしょうか。是非一度、正確に計算してみましょう。

 低金利の現在、定期預金の利率は、大手のメガバンクにおいては0.002%と極めて低くなっています。ただし、地方銀行やネット系銀行を上手く探せば0.2%程度の条件で預け入れることも可能です。

 得られる利子の種類には単利と複利があり、複利には、利子が元本に還元される期間によって、1カ月複利、半年複利、1年複利等があります。(複利の偉大な効果については以前記事で紹介した通りです。)

 半年複利の場合、得られる利子と元本の合計額(元利合計)は、以下の計算式で求められます。

 〇 元利合計=元本×(1+年利率/2)預入年数×

これらを踏まえ、Aさんのケースを事例に、定期預金から得られる中長期的な利子を正確に算出していきます。

 Aさんは30才までにコツコツ貯めてきた100万円をネット系S銀行の定期預金に預け入れることとしました。条件は1年満期で年利率0.2%、半年複利型です。これらを踏まえ、上の計算式を適用すると、1年後のAさんの手持ちとなる元利合計額は、1,000,000×(1+0.001)=1,00,2001となり、2,001円の利子が得られることとなります。

 単純計算で、10年後には20,191円、20年後には40,789円、米寿の88才となる58年後には、122,930円の利子が得られることとなります。(余談ですが、バブル期の過去最高利率は8%でしたので、この時代における10年後の利子は1,191,123円と、元本の倍以上になる計算でした!)

 ここで考慮に入れなければならない重要な要素が税金です。預貯金から発生した「利子所得」には、支払いを受ける際に自動的に差し引かれる「源泉分離課税」が課せられ、その税率は所得税15%+住民税5%となっています。なお、2037年までの時限措置として、「復興特別所得税」が所得税額に更に2.1%加算されるため、利子所得に課せられる税率の合計は現在、20.315%となります。

 これを踏まえ、Aさんが得ることのできる税引後の正確な利子を改めて計算してみます。

 1年後に得られる利子2,001円に課せられる税金は407円となり、税引後の利子は1,594円と算出されます。同様に、10年後は16,089円、20年後は32,502円、58年後は97,956円がそれぞれ税引後の利子となります。これらが得られる利子の正確な値です。

 このように、中長期的に得られる利子の正確な額をつかむことにより、ライフプランニングをより正確かつ具体的に行うための一助とすることができます。また、前回記事でお伝えした投資手法の基本的キーワードの一つ「長期」、つまり時間を味方につけることにより、低金利の預貯金であっても、有用な効果を得られることも計数的に見て取ることができます。そして、僅かな金利の差や、預入金額の大小によっても、長期的な視点にたてばその運用効果には大きな違いが生まれてくることも、具体的に明らかになってくると思います。

 一度、現状における預貯金の金額、条件等を把握、算出された正確な利子の数値をもとに、自らのライフプランに想いを馳せながら、改めて今後の貯蓄の目的、目標を見定めてみてはいかがでしょうか。

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