年金とは?種類をはじめ年金ネットの機能や年金定期便の見方などを解説!

年金とは?種類をはじめ年金ネットの機能や年金定期便の見方などを解説!

年金は、老後を安心して過ごすために重要な制度です。しかし、年金の種類はさまざまあり、仕組みについて把握しづらくなっています。そこで今回は、年金の種類や保険料、受給額などについて解説します。年金の情報を確認するのに便利なサービスも紹介するので、ぜひ活用してみてください。

年金とは

年金とは、終身あるいは一定期間にわたって毎年定期的に支給される金銭です。被保険者や遺族の生活を保障するために支払われます。いくらもらえるかは年金の種類や納付状況によって異なります。

早速、年金の代表的な特徴について確認していきましょう。

特徴1. ライフスタイルによって加入する保険が変わる

年金はすべての人が同じ制度に加入するわけではありません。ライフスタイルによって異なる制度に加入します。

たとえば、第1号被保険者(自営業・学生・無職など)と第3号被保険者(専業主婦など)は国民年金だけに加入します。

第2号被保険者(会社員・公務員など)は国民年金と厚生年金の両方に加入します。

特徴2. 加入義務のある年金がある

年金には、加入義務のある年金があります。たとえば、厚生年金では納付期限までに保険料の納付が確認できないと、督促状が送付されることが知られています。

督促状の指定期日に納付が間に合わないと延滞金がかかる仕組みです。厚生年金の加入指導に従わない事業所に対しては、年金事務所の職員が立入検査を実施します。その際、検査や質問を回避することはできません。

年金の種類

年金の種類は公的年金と私的年金に大別できます。公的年金と私的年金ごとに各種年金の概要を紹介していきます。

公的年金

日本の公的年金は、国民年金(基礎年金)と厚生年金の2階建てになっています。

国民年金

国民年金は、日本に住む20歳以上60歳未満の人々が加入する制度です。日本年金機構によると、令和2年度における国民年金の保険料は月額16,540円です。

企業に努めている方であれば、国民年金の保険料を直接納める必要はありませんが、自営業者は自分の責任にもとづいて保険料を納めなければなりません。

ちなみに、企業で努めている方に扶養されている配偶者については、保険料を直接納める必要はありません。

支給開始年齢は65歳からであり、納付期間によって受給額が異なる仕組みです。仮に20歳から60歳の40年間にわたってすべての保険料を納めた場合、令和2年度において月額約6.5万円の満額を受給できます。

※参考

国民年金の保険料はいくらですか。(日本年金機構)

厚生年金

厚生年金とは、企業に勤務する人が加入する年金制度です。保険料は月給の一定割合を支払うことになっており、納付額は個人で異なります。

ちなみに、令和元年度の定率は18.3%でした。厚生年金の場合、勤務先が保険料の半額を負担してくれる点に特徴があります。そのため、実際の納付額は給与明細に記載される保険料の倍額です。

厚生年金によってもらえる年金額は、給料と加入期間によって異なります。

仮に厚生年金に40年間加入したとしましょう。加入期間の平均収入が月収約44万円だったとすると、年金の受給額(老齢基礎年金を含む)は約15.6万円です。

※参考

日本の公的年金は「2階建て」(厚生労働省)

私的年金

公的年金だけでは定年後の資金が不足する可能性もあります。そのため、公的年金以外に任意で加入できる私的年金の制度にも着目しなければなりません。主な私的年金を紹介していきます。

個人年金保険

個人年金保険は民間の保険会社が提供している任意加入の年金制度です。国民年金や厚生年金と異なって、加入義務はありません。お金の受け取り方は年金あるいは一時金のパターンがあります。

個人年金保険には節税効果がある点も見過ごせません。条件を満たすことで、支払った保険料の額に応じて、個人年金保険料控除を受けられます。

国民年金基金制度

国民年金基金制度は、自営業者やフリーランスなどの第1号被保険者が、老後の収入を安定させるために任意で加入できる年金制度です。

掛け金の支払によって将来受け取る受給額が決定されます。万一早期に亡くなってしまっても、家族に遺族一時金が支給されるため、掛け捨てにはなりません。

年金の情報を確認するには年金ネットを活用

年金ネットで行えることは主に下記の通りです。

・年金記録の確認

・将来における年金見込み額の確認

・年金定期便(電子版)の閲覧

・日本年金機構から郵送された通知書の確認

それぞれの機能について詳細を説明していきます。

機能1.年金記録の確認

働き方の種類によっては国民年金や厚生年金などの加入を切り替えることもあるでしょう。

年金ネットでは、各月の年金記録によって、月別に加入していた制度が一目でわかるように記載されています。

さらに国民年金の加入記録では、加入月数や各月の納付状況、追納可能な月数などが確認できるほか、厚生年金の加入記録では、加入月数や勤務先の名称や、標準報酬月額などまで確認できます。

機能2.将来における年金見込み額の確認

働きながら年金を受け取る場合や、年金の受給開始を遅らせる場合など、自分の記録からさまざまな条件を設定して年金試算を行えます。

年金受給開始年齢や、年齢ごとの年金見込み額などについて、表やグラフで表示することも可能です。

機能3.年金定期便(電子版)の閲覧

毎年一度送付される紙媒体の「ねんきん定期便」と同じ年金記録を自由に確認できます。ダウンロード機能があって保存しやすく、紙媒体と違って紛失するリスクもありません。

機能4.日本年金機構から郵送された通知書の確認

受給に関する各種通知書を一覧として確認できます。

具体的な通知書は下記の通りです。

・年金振込通知書

・公的年金等の源泉徴収票

・年金額改定通知書

・年金支払通知書

・年金決定通知書

・支給額変更通知書

年金に関するQ&A

年金制度は知らなくてはならないことがたくさんあり、加入にあたって気になる疑問は尽きないでしょう。ここからは年金に関する疑問をQ&A形式でお答えしていきます。

Q1. 年金手帳を紛失した場合、再発行できますか?

年金手帳は、最寄りの年金事務所で再交付に対応してもらえます。基本的には本人が窓口で交付してもらえますが、代理人が交付してもらうことも可能です。

具体的に認められている代理人は下記の通りです。

・社会保険労務士(あるいは社会保険労務士の代理)

・法定代理人

・事業主(あるいは事業主の代理事務員)

ちなみに代理でなく本人であっても、運転免許証といった身分証明を持参しなければなりません。

Q2.年金の支給日はいつですか?

年金は支払月の15日に振り込まれます。もし15日が土曜日、日曜日、祝日の場合、その直前の平日に支給されます。

Q3. 年金定期便の見方を教えてください

表面の中央上部にある紹介番号は、問い合わせを行う際に活用できます。

紹介番号の下にある「これまでの加入実績に応じた年金額」という欄は、20歳以降に納付した保険料の実績に応じて将来受給される年額を示しています。

はじめのうちは少ない年額に驚くかもしれません。しかし、納付期間が長くなるにつれて、年額が増えていきます。

Q4. 年金生活者支援給付金とは何ですか?

年金生活者支援給付金は、公的年金の収入金額が一定基準額を下回る方に、生活支援を目的として年金に上乗せして支給する給付金です。財源として消費税引き上げ分が活用されています。

給付額は毎年度物価の変動によって改定され、給付額が変更された場合は「年金生活者支援給付金支給金額改定通知書」が送付されます。

年金の保険料を適切に納付して将来に備えよう

以上、年金制度の仕組みや保険料、受給額などについて解説しました。年金は保険料を適切に納めないと、受給額が少なくなってしまうケースも少なくありません。年金ネットやねんきん定期便を活用して、自分の年金記録を随時把握しておくようにしましょう。

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